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錯覚心理:知ってる・思い出せる・簡単・ハロー効果~これがわかれば人生をコントロールできる!

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脳は確実性を求めます。確率が0%か100%に近いほどわかりやすく、魅力を感じます。だから、「無毒」と謳う殺虫剤に、より多くの金額を投資します。


脳は、意外と単純。そして、そんな単純な脳に、抵抗するのは難しい。脳は、まるで他人のように、私たちの行動をコントロールしています。自分は、何を好きになり、何を買うのか? それも全部、脳に操られてのことです。ただの錯覚。


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「自分では気づかない、ココロの盲点」
自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)



真実性の錯覚

①知っているものが、好き(単純接触効果)

脳は、何度も接している対象について、さらに高感度を高めてゆきます。テレビCMや広告、はたまた選挙活動で名前を連呼する行為は、こうした心理効果をねらったものです。


知っているものは安全です。野生の動物は、見知っているものに安心・安全を感じます。襲われる危険はないと、わかったからですね。


知っているものを好むのは自分を守るための本能です。


選挙のときも、選挙カーがうるさいと感じるものですが、何度も何度も聞いていると、投票に行ったとき、つい知っている名前を書いてしまうそうです。だから必死で、何度もアピールする。文句を言われようと気にせず連呼する。これ、ポイントですね。


自分の外見は、毎日鏡を通じて見慣れています。だから、現実のレベルよりも自分を「魅力的だ」と勘違いしています。  
なお、もともと悪印象だった相手の場合は、何度も出会うと、さらに反感が増すこともあります。


一度ついたイメージは、なかなか変わりません。危険なものだと察知したら、本能をくつがえすことは容易ではないのです。死の危険があるからです。


逆に、見慣れてくるとかわいくなる。自分の顔は毎日見ている。見慣れるから順応する。ちょっと笑える事実ですね。


毎日、目にするものは、いいものだと錯覚しやすい。


だからこそ、毎日顔を見せて、「見慣れた」と脳に判断してもらえれば、信頼を得られるわけです。何度も何度も、相手に印象づける。広告の効果はやはり絶大です。


自分を知ってもらうこと。自分の顔を何度も見せること。それだけでも、相手が自分を好きになってくれる可能性はぐっと高くなります。見慣れないものには好印象を抱けません。


企業が躍起になって、広告を打ち出すのはそのためです。身近なものとして感じてもらえたら、知らないものより有利に立てます。


いつも見ているうちになんとなく良いものに思えてきた。それが脳の特徴なのです。自分を見せましょう。隠れていては、誰も思い出してくれません。


②思い出しやすいものが、好き(利用可能性ヒューリスティック

脳の判断は思い出しやすさに影響されます。脳裏に浮かびやすい情報は「これほど簡単に実例が思い出せるのだから、その通りだろう」と確信が強まります。


「あるある」「言われてみれば」私たちは、そういう情報が大好きです。思い出しやすさが一番なのです。


考えてみれば当然のこと。思い出すことができなければ、そもそも、意識にものぼりません。


だけど注意が必要。もしかしたら、思い出せないことに真実があるのかもしれないのです。過去の、あることを急に思い出し、自分は今まで何を勘違いしていたのだろう。そう思って、がく然とすることもあるものです。


例えば、愛されてないと思っていたけど、充分に愛されていたこと。愛されてない言動ばかり思い出してしまうから、そっちが真実だと勘違いしてしまうのです。


逆に言えば、人の心をつかみたければ、思い出しやすくさせてあげることです。テレビの情報に左右されやすいのは、思い出しやすいからです。洗脳とも似ていますね。


どうしても思い出してしまうこと。人はそこに、価値を感じるのです。思い出しやすくさせる。そこを意識すると、仕事でもアイディアが浮かぶかもしれません。


③簡単なものが、好き(流暢性の処理)

難易度が低いだけで「正しい」と勘違いしがちです。
読みにくい文字で書かれたものは、内容が難しいと評価されます。発音しやすい企業名は、株式公開の際により投資されます。


難解なものに接すると、嫌悪感がわきます。だから、簡単なものに飛びつくわけです。発音しやすい名前。思い出しやすい名前。何度も接する名前。それが鉄則。


自分のこだわりよりも、心理を意識したほうが勝率がアップします。


わざわざ難しい言葉や表現を駆使して博識ぶる人がいます。しかし得することは何もありません。そうした高慢な姿勢は、わかりやすいプレゼンによって容易に駆逐されます。


もっともらしく見せようとしてしまう。よくやりがちですが、逆効果だったんです。


小難しい話をしても、居眠りされるだけです。わかりやすく、具体的に、印象に残るように、思い出しやすくさせる。


わけのわからない難しそうな話は、自分の頭の中だけで楽しみましょう。


④1つで、全体を判断する(ハロー効果)

脳は対象の全体をくまなく観察して判断することはありません。目立つ特徴に着目して、全体を判断します。ハロー効果です。ハローとは聖人の頭部上に描かれる光輪のことです。強い光を発しているので思わず目が行ってしまうことから、ハロー効果と名づけられました。


目立つ一点に注目。脳は、その一点だけで判断します。有名なハロー効果です。一つが良ければ、すべてが良く見えます。


何か一つ、ヒット商品ができあがれば、そこからどんどん、売れるようになるのです。次も良いものに違いない。そんなハロー効果が高まっていくからです。


一つの良いものが突破口を開く。ハロー効果は、ビジネスにとっては、有り難いものになります。


美人が窃盗罪を犯したときには「きっと何か理由があるのだろう」と刑が軽くなる傾向があるのに対し、同じ美人が詐欺罪を犯したときには「美貌で魅了して人を騙すとはけしからん」と刑が重くなります。  


美人は得をする、とはよく言いますが、やはり真実のようです。実際の刑さえ、軽くなってしまうのです。


逆に、美人であることを利用している。そんな、あくどさは非常に嫌悪します。


いい人のフリをして、実は腹黒い。さわやかに見えて、実は陰険。そんな、印象とは真逆の姿を見てしまったとき、とてつもない嫌悪を覚えるものなので注意しましょう。


あまりにいい人に見せてしまうと、あとあと、ツラくなりそうです。


逆ハロー効果もあります。全般的に優れた商品や書物であっても、一点でも欠陥が見つかると、全体の評価が引きずられて、ときに不当な酷評に晒されます。ちなみに、わずかなミスを鬼の首を取ったかのように嬉々としてあげつらう行為は、自己評価の低い卑屈な人によく見られます。


バッシングされる有名人は典型的ですね。とてもいい人だと思っていたのに、そんな欠点は許せない。良い商品だと思ったのに、欠陥なんて信じられない。どうしても、だまされたという感覚になってしまうのです。


ちょっとしたことで、大打撃をくらってしまう。逆ハロー効果は、ときに残酷なものです。真実ではなく、すべては錯覚です。


ハロー効果は利用効果は高いですが、その代償も、高いのかもしれません。



見れば見るほど、錯覚する⁉

錯覚は、後天的なもの

鮮烈な錯覚は、乳幼児ではほとんど生じません。開眼手術によって初めて視覚を得た大人でも生じません。つまり錯覚は、後天的に脳回路に植えつけられた誤解釈なのです。まさに認知バイアスそのものです。


子どものほうが、純粋な目で正しく解釈できる。よくあることです。


私たちは、経験を重ねるほど、見れば見るほど、生きれば生きるほど、真実がわからなくなってきてるのです。なんとも皮肉です。


「バイアス」の意味は、「偏り」。長生きするほどに、「偏り」がどんどんできあがります。たまにはそこから、自由になってみたいですね。ただし、それは、脳が身につけた生き残り術。でなければ、そんな脳力は発達させないはずです。


ならば、上手に付き合うこと。偏りがあること、錯覚していること、それを自覚し、どうせなら、良いものに錯覚しましょう。脳を味方につけるのです。幸せだと錯覚すれば幸せなわけです。


仕事に活用するときもあくどいやり方ではなく、皆が幸せになる錯覚を心がけるべきです。


脳の力はすごいものですが、単純でもあり、悲しくもあり、ちょっとかわいらしくも思えてきます。



錯覚心理について
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~まとめ~

私たちが大好きなもの。


よく知っていて、思い出しやすくて、簡単なもの!


一つ良く見えれば、ハロー効果ですべてが良く見える