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気軽な日記ブログです

落語・桂歌丸さんの訃報に思う~笑点の人気理由は遊びにあり

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人間、泣かせることと怒らせることは簡単なんですよ。
笑わせることぐらい難しいことはないですよ
桂歌丸/2017年8月5日TBS放送の『報道特集』)


たしかに。
泣かせる・怒らせるは
チョー簡単。


私もすごく得意です。
毎日、できる。


一方、
笑わせる、
人を笑顔にする。


そんなこと・・・
できません。


一年に何度、
できただろう?


幸せの数って、
笑わせた数かも
しれない。


そのコツは、


遊び感覚!


**


2018年7月


早々に梅雨も明け、
猛暑の予感がした7月。


今年の夏は、
しんどそうだなぁと
感じていたとき。


またまた、
訃報が飛び込みました。


www.sankei.com



7月2日、
落語家の桂歌丸さんが
ご逝去。


享年81歳。


歌丸さんと言えば、
もちろん。




これですよね。




笑点




落語に興味のない、
子ども・若者から
お年寄りまで、


すべての世代に
愛されてきた番組。


そして、なかでも、
歌丸さんの存在感は
抜群でした。



笑点

平和な日曜日の象徴

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今は、もう、
日曜日の夕方の風景も
だいぶ変わりましたが。


ひと昔前は、
これが、お決まり。




子どもだった私は、
落語には興味もないし、
正直、笑点が楽しいとも
思っていなかったけれど。


いつもの流れというか。
ルーチンというか。


一番、平和な
日曜の過ごし方でした。


おかげで、
老若男女問わず、
落語が身近にあった。


という点で、
笑点の功績は
大きいですよね。


誰もが知っている、
オープニングメロディ。


「座布団○枚!」とか。
「山田くーん!」とか。


いまだに、
会話の中でも
出てくる言葉です。


もう少しで10枚!
ってときに、
「座布団、没収!」


これ、子どもには
衝撃だったんです。


え???
もうすぐだったのに?
なんて非情な!!


笑点の内容よりも、
興味はほぼ、
座布団でしたね。


もちろん、
笑点はまだまだ、
続いてるわけですが。


やっぱり、
歌丸さんのキャラは
大きかったのです。


しかも、8月には
さくらももこさん
ご逝去。

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サザエさん
視聴率低下も話題で。

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あの日曜はどこへ・・・


きっと、あの頃、
私と同じような
日曜を過ごしてた人には
けっこうな喪失感。


一つの時代が
過ぎ去ったんだなと。


おりしも、
今は平成最後の時期。


なんだか、妙に、
感慨深くなりますね。


落語には、まったく
詳しくありませんが。


ちょこっと
歌丸さんの話を。


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落語家・桂歌丸

師匠としての歌丸さん

blog.tinect.jp


↑こちらのブログ記事に、
面白いエピソードが
載ってました。


歌丸さんの弟子だった、
桂歌助さんの著作
「師匠歌丸」に、
書かれている話。


赤信号で、
歌丸さんが問いかける。


「あの信号の色は何色だ?」


「赤です」


「赤じゃなくて、あれは青だ」


そのとき、
歌助さんは
返答に困ったそう。


師匠の言うことは絶対。
でも、渡ればどうなるか?
考え込んで何も言えない。


そのとき、
歌丸さんが発した言葉は。


「こういうときは
❝わたしはかばん持ちなので
師匠、おさきにどうぞ❞
ぐらい言うもんだ」


なんとも、
ユーモアと愛情のある
師匠ですね。


理不尽な
言いつけに対しては
シャレで返せ


それを教わったと。


なるほど。納得です。
さすがは落語家。


何をしていても、
すべてが修行。


どんなことからも、
どう笑いをとるか。
そこを考える。


落語家って、
そういう職業なんですね。


わたしの原動力となっているのは、落語家という“役目”です。
落語家ですもの。落語以外何をやるんです? 何もないじゃないですか。
だからこれからも落語家としての責任を果たしていかなくちゃいけない。


先人の師匠たちは、もの凄いものを残してくれています。今度はわたしたちの世代が残していく番です。

引用:桂歌丸さん死去 生前語っていた「笑点」のすべてと「妻」とのやりとり | 文春オンライン


その言葉どおり、
人を笑わせること、
そして、
後輩を育成することに、
走りぬいた人生。


素晴らしいです。


今は、師匠という存在が
希薄になった時代。


いろんな考え方があり。
いろんな生き方があり。


一人の人だけに
付ききっていくことが
危険だとも思われる。


この会社に忠誠を尽くす!
なんてことも、
今じゃ愚かなこと。


下積みなんて不要。
という考え方も、
主流になりつつある。


病院だって、
セカンドオピニオンとか。


一つだけではなく、
複数の意見を検討して、
自分で答えを出す。


今はそんな時代ですが、
それって、逆に、
すごく難しいし、苦しい。


よそ見を繰り返して、
結局、何もわからない。
なんてことも多々。


むしろ、
これだけを信じる!
っていうほうが
どれだけ安心か。


そんなことも
思ったりします。


だから、落語などの、
古くからのしきたりが
うらやましく思えたりも。


まー、そうは言っても。


何もわからない者が
勝手なことを言ってるだけ。
きっと耐えられないと思う。


そこを乗り切って
成功するというのは、
やはり、すごいこと。


それを考えると、


ちょっとしたことで
誰も認めてくれないと
愚痴を言ってるようじゃ、
甘っちょろいですね。


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笑点での歌丸さん

だいたい頭の中に最初にパッと浮かんだことが一番面白いんですよ。
「うーん、なんて言ってやろうか」と考えちゃうと、面白くもなんともなくなっちゃう。


司会もそう。「1問目はどこで終わろうか」とか「どのタイミングで『また来週』と言おうか」というのは気を遣いますが、パッパッパッとやるのがいいんです。

引用:桂歌丸さん死去 生前語っていた「笑点」のすべてと「妻」とのやりとり | 文春オンライン(以下、同じ)


私は、しゃべることが
本当にできないので。


しゃべりのプロって、
尊敬・あこがれ・羨望。


書くことは、
じっくり考えながら
修正もできるので
苦じゃないのですが。


即興でしゃべるなんて。
ましてや笑いをとるとか。


単なる雑談でさえ、
できないくらいなので。


もう、神ワザとしか
思えないです。


コツは、
パッと浮かんだこと


最初に浮かんだことが
一番、面白い。


それ、落語家じゃなくても
よく言われることですよね。


私みたいな、
じっくり考えちゃう派は、
パッパッと言うなんて、
もう・・・


喉から手が出るほど、
身につけたい能力。


喉から手を出しても
身につかなかったので。


ほんの、ちょこっとでも!
エッセンスがほしいです。


そんな歌丸さんも、
もちろん、本番は、
必死の思いでしょうけど。


笑点だけは、
遊びのよう
だったと。


50年間、飽きることはありませんでしたね。
それは、舞台の上でメンバーとポンポン言葉の掛け合いをするのは、わたしにとって、
もの凄く楽しい遊びみたいなものだからなんです。


視聴者の方には申し訳ないですけど、
ストレス解消にもなる。
間やテンポが、寄席でする噺の参考になることもあります。


申し訳ないと
おっしゃってますが。


むしろ、
自然体でいいです。


だから、観ていて
心地よかったんだなと。


楽しんでる感じが、
観る側にも伝わって、
余計に楽しくなる感じ。


楽しく、
ストレス解消しながら、
次の仕事への
ヒラメキもわく。


非常にうらやましい、
仕事のやり方です。


飽きないコツは
遊び感覚に有り!


真似したい。


その分、陰の努力も
すごいですけどね。


楽屋での雰囲気も大事です。
陰気な話ばっかりして高座に上がったら、陰気な芸しかできません。


だから『笑点』の楽屋ではみんな冗談を言い合って、パーッと高座へ上がっていく。
だから陽気な番組が出来るんです。

(中略)

番組がここまで長く続いてきた理由としては、家族全員が安心して見られる、ということも大きいと思います。
他のメンバーと約束をしているわけではないのですが、陰惨な事件や暗いニュースには触れないようにしています。見ていて心がすさむような番組もあるじゃないですか。
子どもの耳をふさぐようなことのない番組にしたい。それはずっと心がけてきました。


その思いあってこその
あの、平和な日曜日。


なんか、今さらながら
有り難く思います。


やはり、
作り手側の思いが、
受け手に、
そのまま、届く

ということ。


その意味って、
かなり大きいような。


陰気な話をしていては
陰気な芸しかできない


結局は、
普段どおりの生活が
すべて表れる。


いつもの自分の言葉。
いつもの自分の考え。


それこそが、
自分の価値になる。


表舞台だけで
アクセクしたって、
にじみ出るものが
違うわけです。


そうは言っても
遊びのように。


すごいと思う。


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さて、
笑点しか知らない私ですが、


落語界では、
新作を好む人が多いなかで
古典の発掘に尽力したりと、
かなりの功績があるようで。


チケット入手が困難なほど、
歌丸さんの落語は
大人気だったようです。


大事なのは、「芸道に関して、人は気にせず、自分のことを考える」こと。
人のことはわかっても、自分がわからない奴はずいぶんいますからね。


他人はどうでもいい。
自分の芸を考えなくてはいけません。


それは私たち芸人ばかりではなく、人間全般に言えることではないでしょうか。

(中略)

若さで、暴走はしてもらいたくない。
自分がやっていることは冒険なのか、落語を壊していないか、表現も含めて考えることは必要です

引用:桂歌丸さん「落語には年齢がある」若手へ贈る言葉 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)


一流だからこその、
響く言葉。


他人は
どうでもいい



自分の芸を
考えよう



遊び感覚から
芸が生まれる!

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