ichigo's blog

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差別は悪だと、叫べますか?~映画「それでも夜は明ける」

それでも夜は明ける(字幕版)




自由黒人として
幸せに暮らしていた主人公。
ある日 突然、拉致され、
南部の綿花農園に売られる。


1841年のアメリカ。
黒人が奴隷として
売買されていた時代。


とても過酷な状況での
12年間の奴隷生活を
描いたものです。


実話です。


映画
それでも夜は明ける


タイトルどおり、
家に帰ることを
信じ続けた主人公は、
12年後、
ついに家に戻ります。


ただし、
希望が大事だなんて
とても言えません。


感想を口にすることを
おこがましく感じるくらい、
悲しく、ツラい物語でした。


一番、思ったことは、


自分は、
正義を叫べる人間なのか?


自分が差別する側だったら
どうだろうと想像すると、
怖くなってきます。



死ぬまで奴隷

人が売買されるという現実

生き残りたいなら
余計なことをするな
自分の素性や
読み書きできることも言うな


この映画を見るまで
自由黒人という言葉を
知りませんでした。


もとは奴隷ですが、
所有者に
解放してもらうなどして、
自由を認められた人。


主人公も、
普通に裕福な生活を
していました。


ただ、自由黒人が拉致され
売られるケースは
珍しくなかったようです。


素性がバレると
殺されてしまうため、
読み書きできることも
隠し通します。


そのため、手紙を書いて
訴えることもできない。


あまりに非人道的な生活を
12年も耐え忍びました。


映画なので、
実際よりも、やわらかく
表現されてるはずです。


それでもツラいのに、
現実はどうだったのかと
思うと、
言葉になりません。


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正義によって裁かれる

「人でなしめ
いつか 永遠の正義によって
汝の罪は裁かれる」


「罪だと? これは罪じゃない
所有物で遊んでるんだ」


「犬」
「私の所有物」
「私のおもちゃ」


奴隷を家畜同然に扱う。


なぜ、人間が人間に、
こんなムゴい仕打ちが
できるのか?


そんな怒りと同時に、
ふと疑問もわいてきます。


自分が白人の立場なら
どのような態度を
とっているだろう?


白人の中には、
奴隷制度に反対し、
正義を語っていた人も
たくさんいるはずです。


この映画の主人公が
最終的に救われたのも
そのような人の
力添えがあったから。


自分がもし、
その時代に生きていて
白人の立場だったら、
果たしてどうなのか。


黒人の手助けを、
できる人間なのか。


それとも、


「私の所有物」と
言っている人間なのか。


平和な世の中で
差別は悪と言うのは、
とても簡単。


その渦中にいるときに、
本当に正義を叫べるか?


だって今でさえ、
善い行ないなんて
できてない。


こういう映画を
見るのがツラいのは、
きっと、
自分の内面が試されるから。


自分の中の、悪の心が
痛んできます。


ツラいですが、
自分と向き合うためにも、
平和教育という観点からも、


こういう歴史は
きちんと学んだほうがいいと、
思いました。



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生き残るためだ
私は絶望などしないし
こびを売ることもしない
自由のために演じてるだけだ


自分は
ちょっとしたことで、
「もう耐えられない」
と思ってしまうのに。


残酷な状況でも
絶望をしなかった。


それは、
「感動」というような
軽々しい言葉では
決して言い表せない。


もっと真剣に、
生きなければ。



**


余談:映画が脳に与える影響


共感をすることは、
人にとって、
一番の癒しになるそう。


映画鑑賞で、
共感脳を鍛えられます。
ichigo-it.hatenablog.com




それでも夜は明ける [DVD]

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