自分の小さな「箱」から脱出する方法~なぜ、他人を責めてしまうのか?
相手が悪いわけじゃないことに、気づいてはいるけれど、どうにもできない。
どうしても相手を責めてしまう。
なぜでしょう?
それは、「箱の中」にいるから。
自分で自分を、小さな箱へ閉じこめてしまっています。
「箱の外」へ出なければなりません。
「自分の小さな『箱』から脱出する方法」
「箱の中」には何がある?
この本では、自分の考えにとらわれ、他人を責めている状態を「箱の中に入っている」状態だとしています。
自分で自分を箱の中へと押し込んでしまっているんですね。
では、箱の中には何があるのか?
「自分」しかいません。
自分の考えが全てです。
自分のやり方が全てです。
自分のことしか考えられません。
外は見えない。他人は見えない。
むしろ外から守られている状態。それが「箱の中」です。
頑固になってしまうのは、「箱の中」にいるからですね。
なぜ、「箱の中」に入ってしまうのか?
では、なぜ「箱の中」へ自分を閉じ込めてしまうのでしょう?
そもそも、「箱」に入らなければいいのに。
そう思いますよね。
「箱の中」に入る理由は、とても意外なものでした。
それは・・・
自分への裏切り
何と、「自分を守るため」ではなく、むしろ「自分を裏切るせい」で、「箱の中」へ入ってしまうというのです。
「箱の中」は、安全な場所ではなく、とても不安定な場所だということです。
なぜなのか?
実は、自分が一番わかっているはずなんです。自分が、どういう行動をしたかったのか。
本当は、こうしたかったわけじゃない。
どこかで、自分の良心を裏切ってしまっている。
その「自分への裏切り」を認めてしまうと、自己嫌悪におちいるし、とても怖いので、自分を守ろうとするわけです。
何によって守ろうとするか?
それは・・・
自己正当化
自己正当化するためには、相手を責める必要があります。「だって、あの人が○○だから」と。
「だって」が出てきたら自己正当化ですね。
また、相手を責められないときは、自分を責める。「なんで、私は○○なんだろう」と。
つまり、自己正当化をする・相手(or 自分)を責めるときは、どこかで自分を裏切っています。どこかで自分に正直な行動ができなかった。
そのことを、自分のことで整理してみました。
私は、いつもミスをする同僚に、イライラしてしまい、いつも心の中で相手を責めています。
ということは、相手が悪いのではなく、どこかで「私が私を裏切っている」ことになります。
どこなんだろう?と、必死に考えてみました。
とりあえず思いついたのは、こんな感じ。
相手がミスする傾向もよくわかっているので、事前に注意を促すとか、ひとこと言ってあげるとか、いくらでもできるのですが、イライラしすぎて無視してしまうのです。
それで、「ほら、やっぱり」となる。
それは、自己正当化プロジェクトのためには重大なこと。
相手が、私の言ったことを忘れてくれれば、私の自己正当化が成功します。
つまり、相手はいつまでもミスをする。私はいつまでもイライラする。
その図式は、永遠に変わらないし、変えちゃいけない。
失敗ではなく、成功しているんですよね。
「ほら、やっぱり。」という現実を、望んでいるのです。
それを変えるには、どこで「自分への裏切り」をしたのか、そこを自覚し、そこへ戻ってやり直さなければなりません。
そして、自分に正直な行動をとること。
それが、「箱の外へ出る」ことです。
ただし、注意を促したところで、「なぜ、いつも言ってあげなきゃいけないの?」と、またイライラする可能性が大いにある。
なので、私にとって、どこが自分への裏切りポイントなのか?は、もう少し検討が必要です。
相手を責めてる時点で、それは自分に正直な行動とは言えないのです。
自分に正直ならば、自己正当化をする必要がないですから。
自己正当化をする必要がなければ、相手を責める必要もありません。
責める = 自己正当化している = 自分を裏切っている = 箱の中にいる
この公式を覚えておくと、どんな場面でも役立ちそうです。
部下を責めている上司を見かけたら、「自己正当化しているんだな〜」「箱の中にいるんだな〜」と思っておけばいいってことです。
とりあえずは、「箱の中」にいるんだということを認識することから。
「箱の中」で努力をしても意味がない
「私の言い方が悪いのかもしれない」と思って、努力もしてきました。
何度言っても忘れられちゃう、覚えてくれない、「言い方が悪い」と言われる。
そうなのか?と腹立たしく思いつつも、いろいろ工夫しました。
だけど・・・
紙に丁寧に書いてあげたのに、読んだあとはグシャッと捨てる。
案の定、次は同じミスをしている。
メールを送っても、メールだけではわからないと言われ、口頭で伝えると記憶には残っていない。
口頭+メールにしても、やっぱり覚えてない。
とにかく、何をやっても忘れられちゃうし、私のイライラもひどくなる一方なので、無視しか方法がなくなったわけです。
だけど、重要なのは、スキルの問題ではなかったってことです。
自分が「箱の中」に居続けたままでは、どんなにスキルを磨いても相手には届かない。
なぜなら、他人が見えていない状態だから。
「箱の外」へ出なければならなかったのです。
私のイライラも、そのせいかもしれないと思いました。
いろいろ学んでも何も変わらないという人は、「箱の中」で努力をしている可能性があります。
外見上何をしているかではなく、心の中で相手をどう思っているかが、問題なんだ。相手はそれに反応するんだから。
それでは、こちらが相手に対して抱く感情は、何によって決まるのかというと、こちらが相手に対して、箱の中にいるか外にいるかで、決まる。
では、どうすれば、「箱の外」へ出られるのか?
それには、自分への質問を変えること。
ということで、前回の話に戻ります。
この続きは、また次回。