LINEはどこまでもユーザー目線!シンプルに人の幸せを考えたら成功した
人々を幸せにする──。 僕は、これこそ、ビジネスを成功させるうえで、さらに言えば、生きていくうえで最も重要なことだと思います。
この本は、LINEの元社長が書いた、一流の人の仕事の考え方です。それはタイトル通り、とてもシンプルなものでした。これを読むと、LINEに対する見方も変わります。一流の人は、シンプルに、人のためを考えている!
LINEの成功理由
差別化を狙わない
「スマートフォンのコミュニケーションで、ユーザーが求めている最も重要な価値は何か?」と徹底的に考え抜いたのです。その結果、テキスト・メッセージ機能にフォーカスして、シンプルにそれだけを磨き上げていったのです。
LINEの誕生は、差別化を狙ったわけではなく、どこまでもユーザーの求めるものを突き詰めた結果だそうです。電話番号による友達追加や、写真共有、グループでのやりとりなど、すべてはユーザーの価値を考えて開発した、と。
LINEのようなサービスはたくさんあります。そして、どこも差別化を狙い、高度な技術革新に力を入れたようです。だけど、高度な技術革新よりも、ユーザー目線を大事にしたLINEが生き残った。
自分の技術の高さを見せる・高度でかっこいいものを作る・差別化を狙う。それらは、間違った考えだということです。それよりも、皆のためを考えた人こそ生き残る! これ、すべてのことに当てはまりそうですね。
ユーザーにとって最も重要な価値にフォーカスする。そして、その価値をとことん磨き上げる。そのときはじめて、僕たちは真の差別化を生み出すことができるのです。
とてもハッとさせられる視点でした。自分の見栄では意味ないのです。人の役に立つかどうか、それだけだったんです。
イノベーションは目指さない
LINEのトップページにバナー広告を出せば「売れる」ことはわかっていました。しかし、僕たちは、それを選択しませんでした。なぜなら、それはユーザーにとっては邪魔だからです。
バナー広告は、ユーザーのためにならない。じゃあ、どこから収益をあげるか? そこで生まれたのが、スポンサード・スタンプ。それが収益の柱になったそうです。
海外からは、「これはイノベーションだ」と、高く評価されたそうですが、イノベーションを目指したわけではなかったとのこと。
シンプルに、ユーザーにとっての価値を追求しただけ。自分たちのアイデアを、世に知らしめるためではなかった。
「ユーザーのため」「人のため」そこを徹底して考えたときに、結果として、他社とは違う画期的なものが生まれたのです。
私たちは、ついつい、人とは違うことをやろうと躍起になってしまいますが、そもそもの動機が間違ってたんです。
それって、自分の存在をアピールしたいだけですよね。「自分のため」でしかありません。
逆の立場で考えれば、そういう人に魅力なんて感じないはずです。でも、自分のことになると、それがわからなくなり、「人のため」と言いながら、自分のために必死になってしまいます。
ユーザーの声を聞き過ぎない
ユーザーは「本当の答え」を教えてはくれません。 だから、ユーザーの声を表面的に聞くだけでは「道」を間違えます。大事なのは、ユーザーの声を深く掘り下げて、「ユーザーが本当に求めているものは何か?」を自分の頭で考え抜くこと。
これは驚きの発想でしたが、ユーザーの声を聞き過ぎると失敗するのだそう。なぜなら、ユーザーには、不満はあるけど、アイデアがないからだそうです。
自分に置き換えて考えてみたら、まさに、その通り。いろいろ不満を言っても、じゃあどうする?と聞かれたときに、何も答えられないことばかりです。どうしたらいいんだろう?と、悩んでしまいます。
一流のビジネスというのは、どうしたらいいか?に、答えること。ユーザーの声は、不満。そこからアイデアを出すのが仕事。どうしたらいいかを必死で考え出した人に、お金が提供されるということです。
仕事に限った話ではないですね。何かに不満を感じたとき、その解決策を自分でしっかり考えたいものです。
人の気持ちがわかること
やりたいことをやって、自分らしく生きていくためには、自分本位であってはなりません。常に、「人々は何を求めているのだろう?」「人々は何に困っているのだろう?」と考え、試行錯誤を繰り返しながら、人の気持ちがわかる人間にならなければならないと思うのです。
結局は、人の気持ちがわかること。そこにしか成功の要因はないということですね。
やりたいことをやったとしても、人からの共感を得られなければ、続けることさえできません。
人の気持ちを考える。ベースにそれがなければ、自分らしく生きるなんて無理だったんです。
そのプロセスの中では、理解されないこともあるのでしょう。
だけど、「人々の幸せ」という、最終の目的に向かっているからこその、一時の評価は気にしない、そういうことですよね。
そのときにこそ、他人の目に左右されないという、勇気が必要なわけです。
ただ単に、自分の私利私欲のために、他人を気にしないのではなかった。自分本位とは全然違うことを知りました。
「自分のため」と「人のため」そのバランスをとるには、人の気持ちがわかる自分になること。きっと、そういうことです。
改めて、LINEってすごいなと感じました。
できる人の、仕事のやり方
不安を楽しむ
すべては、自分が決めること。どんな仕事をするか、仕事とどう向き合うか、どんな会社で働くか、何を大切にして生きるか……。その選択で、人生は決まっていくのだと思うのです。 もちろん、常に不安です。 でも、それがこの世の現実なのだから、むしろ、その不安を楽しんだほうがいい。
私は、できる人には不安はないと思ってました。だから、不安を感じる自分はまだまだなんだと。
だけど、一流のビジネスマンにも不安はあったんです。大企業にも不安はあります。いちど成功しても、次の不安がくる。不安になる心理は、誰もが同じだったんです。
だからこそ、その不安を受け止めつつ、次を生み出すことに集中すること。それしかないわけです。
不安だ、不安だと言いながら、何もしないというのが、一番ダメってことですよね。
誰にでも、不安が常にあるというのは、覚えておいたほうがいいかもしれません。
僕は不安を無理やり消そうとは思いません。 実際に、明日何が起こるかわからないのですから、不安を消そうとしても消えはしません。
皆、同じなんです。だから頑張るんです。不安を楽しめるようになれたら、すごくいいですね。
ワクワクする
「こんなサービスが実現できたら、みんな喜んでくれるはずだ」とワクワクしながら仕事をする。このワクワクする気持ちが大切なのだと思います。
ワクワクが大事とはよく言いますが、それも結局は、どうしたら喜んでもらえるか? それを考えてのワクワクだったんです。
やはり「人のため」なんですね。それがないワクワクなら、単なる快楽なのかもしれません。
「自分を認めさせたい」ではなく、人を喜ばせることにワクワクしていきましょう。
ワクワクすると、夢も叶いやすくなるようですよ。
ichigo-it.hatenablog.com
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仕事はしんどい
「仕事を楽しもう!」という言葉がもつニュアンスと、僕の感覚はずいぶんと違います。なぜなら、仕事は厳しいものだからです。生半可な姿勢では、ユーザーに喜んでもらうことなどできるはずがありません。
仕事が楽しいかどうか? それを考えていましたが、単なる楽しさとは違ったようです。
しんどさとプレッシャーの日々。「人のため」を考えるからこそ、その厳しさを乗り越えるんですね。
しんどいと感じたとき、「人のため」だから当然のこと。そう思ってみるといいかもしれません。
楽しいばかりが仕事じゃない。人の役に立ってこそですよね。
優秀な人は喧嘩しない
他人の仕事のあらさがしをして、問題点ばかり指摘する。これは、僕が思うに、仕事ができない人の典型的なやり方です。仕事とはユーザーに価値を提供すること。そのために貢献しようとしない人で、仕事のできる人はいないのです。
他人の仕事のあらさがし。つい・・、してしまいます。どうしても他人のやり方が気になってしまいます。
だけど、いいものを作ることが目的なら、そんなことは考えない。優秀な人ほど喧嘩をしないそうです。なぜなら、時間がもったいないから。そんなことをするより、いいものを作ることに集中する。それができる人の仕事のやり方。
喧嘩をすることが目的ではなく、価値を提供することが目的。その目的に沿った議論なら、大いにするということなんでしょうね。これは、深く反省させられました。
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会社の歯車となるために自分を押し殺すようになった人に、本当の意味で人々を喜ばせるような仕事をすることはできません。それよりも、高い技術と情熱をもつ社員たちが、のびのびと能力を発揮できる環境を整える。
LINEを誤解していました。なんだか、うまいこと、ビジネス商戦にのっけられてるような、そんな感じがしていたのです。
でも、どこまでも、ユーザーの側に立っていたんです。仕事においても、人生においても、見習うべき点がたくさんありました。
ビジネスマンが書いた本のなかで、私は、森川さんの話が一番好きです。
ichigo-it.hatenablog.com
~まとめ~
一流の人は、
ただシンプルに、「人の幸せ」を考えている
- 作者: 森川亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/05/29
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