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不幸な境遇に立ち向かうコツ〜〇〇の中に自分を見ること

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僕たちはつながりの旅の途中にいる。それはこの地上で他者に心を開き、全員が兄弟姉妹であることに気づく旅だ。


この本を読むと、静かなる感動が胸にせまってきます。すべて実話なんです。不幸な境遇に立ち向かうコツは、他者の中に自分を見ること!


スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉が開く最強のマジック
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック


心の問題を抱えた両親、学校でのいじめ、貧しく、何の力もない、傷だらけの少年。そんな少年に希望を与えたのは、ルースという女性でした。ルースは少年に、夢を実現する方法を教えたのです。ルースを信じた少年は、数々の困難を克服し、大学まで行き、脳外科医になりました。最終的には、ダライ・ラマからも寄付をうけるほどの研究者になります。


わたしたちの誰もが、
人生の中で痛みを感じる状況を経験するの  
それを「心の傷」って呼ぶのよ  
それを無視するといつまでも治らない  


でもときには、
心に傷を負ったときこそ、心が開くものよ  
心の傷がいちばんの成長のチャンスになるの  
困難は魔法の贈り物なのよ

.


いつかなれる。そう知っていた。

意識を向けた先が、自分の未来

ルースは、僕が人生に望むことに注意を向けるよう教えてくれた。貧乏なままの生活を望むのか? 
生活保護を受け、酒飲みの家庭に育ったから人生なんてどうでもいいと考えるのか? 
住む場所や両親のせいで、自分にたいした価値がないと思うのか?


私たちは必ず、見ている方向へと歩いています。横断歩道で後ろ向きに歩く人なんて見かけないですよね。必ず、行きたい方角を、見ている


電車に乗る時。上り列車に乗るのか、下り列車に乗るのか。どちらを向くかでまったく逆の場所へたどり着きます。視線の先というのは、未来の自分の居場所。今いる場所の悪いところばかりを見ていたら、未来も必ず、同じものを見ます。目の前の現実よりも、なりたい自分に意識を向けること。それが、上り列車と下り列車の分かれ目。この物語の少年は、実際にそれを成し遂げました。


アル中の父親、自殺未遂を繰り返す母親、お金のない生活。そこだけを見るのではなく、常に、望む将来を見ながら、努力を重ねていました。そのプロセスには、実話とは思えないほど驚かされ、勇気を与えられます。


僕は頭にイメージを描くことで脳内に新しい神経回路をつくろうとしていた。脳は強烈な想像上の体験と現実の経験を区別しない。


自分は今、どこを向いているのか。視線の先に、意識の先に、何があるのか。それこそ、未来。


少年が心がけたことは、心の底から求めているもの、それに集中すること。


思考を手なずける

思考を観察することで、僕は自分自身から自分の考えを切り離せるようになっていった。


自分をコントロールするには、自分自身と、自分の考えを切り離す。それがコツのようです。思考は、結局は、人生の邪魔をします。雑念とか邪念とか言いますよね。頭に浮かんでくることは、マイナスなものばかり。その現実を認めなければなりません。


だいたい、私たちは、偉大な哲学者ではありません。自分の考えが、立派なわけがない。そんな思考は切り離して、想像する未来のほうに頭を向けたほうがいいのです。


毎朝毎晩、心の目にその姿を映し出した。どんな結果になるかは心配していなかった。結果から自分を切り離して、なりたい姿を思い浮かべられるようになっていた。いつかなれる。そう知っていた。やるべきことをやって、細かいことはなりゆきにまかせよう、と思った。


思考は邪魔なんですね。もっと想像力を働かせることです。そうすれば未来はその通りになります。この物語では、それを本当に実践しています。



痛い目にあわないと学べないこともある。

心を開くこと

お金が幸せと自由をもたらしてくれるという間違った思い込みに僕を駆り立てていた付き物がとつぜん落ちた。富が幸せをもたらす方法は、たったひとつだとわかった。それは人に与えることだ。


少年は、富を築いている姿を思い浮かべ、それを実現させました。しかし、成功したことに傲慢になり、結局、お金も人間関係も失ってしまったそうです。ありがちな話です。おごれるものは久しからず。いつの時代でも、どの国でも、同じ現象が起きるのは興味深いです。そして、著者は、痛みを味わい尽くしたとき、間違った思い込みが、とつぜん落ちた、と。


そう考えると、傲慢になった人が衰退するというのは、何かの慈悲の作用にも思えてきます。今のままじゃダメだということを、誰がというわけでもなく、状況や環境が合図してくれるわけです。だから、悪いことなんて何もない。今、どんな状況だろうと、きっと何かの合図がある。痛みを受けているときは、なかなか難しいものですが、その合図に気づかなければいけない。


心を開くことが伴わなければ自己陶酔とナルシシズムと孤立につながりかねない。


ルースの教えた方法には効果がありましたが、その教えのなかで一番大事だったことを忘れていたそうです。それは、心を開いて人に与えること。それを忘れていては、どんなにうまくいっても幸せにはなれない。そのことに気づいたと言います。


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他者の中に自分を見る

痛みに寄り添う

本当に心を開くと、痛みへの反応が実際に変わる。僕は痛みから逃げる必要がなくなった。痛みに寄り添った。
痛みに寄り添うことで、自分自身とつながり、本当の意味で他者とつながることができた。


きっと少年は、不幸な境遇から一刻も早く、抜け出したかったのでしょう。そのためにルースの教えを必死に守りました。それは、努力であり向上です。だから、それが間違っているなんて気づかないですよね。周囲だって気づきません。貧しい中を頑張ってて偉いと思うわけです。自分も頑張ってるし、周囲もそれを認めてくれる。そのとき、痛みからは逃れることができます。無意識のうちに痛みから逃げ続けてしまうという結果になるのです。本当は、不幸の中で作られた、「心の痛み」と向き合わなければならない。


過去は忘れたほうがいいという話がありました。
ichigo-it.hatenablog.com


忘れたほうがいいのは、考えていても言い訳ばかりが出るから。だって、しょうがなかったし。だって、自分はこうだし。だって、だって、と、いつまでもグチグチネチネチ、言い訳で固めていく。それじゃあクヨクヨします。


そのとき、少年が思い出したのは、一番大事だったレッスン。心を開くこと。痛みと向き合い、心を開き、人とのつながりを感じる。それが、過去を乗り越えるという意味なのだと。


人生をよりよい方向に変えるには他者の人生を助けるしかないという、究極のレッスンだった。


過去を乗り越えるのも、それが何のため?ってところが大事。お金持ちになりたい。というだけでは、再度のどん底が訪れる。人のため、人の役に立つために、この苦しみを乗り越える。そう思えたときが、本当の蘇生なのかもしれません。

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頭と心の融合

僕は何十年も心の知性を無視してきた。僕を貧困から救い出し、成功へと導き、価値を与えてくれるのは頭だと思っていた。でも結局、本当の価値を与えてくれたのは心だった。脳は多くを知っている。だけど、心と一緒になったとき、脳ははるかに多くを知ることができる。


心は、脳にあるのか? 心臓にあるのか? その議論は未決着ですが、著者は、心は心臓にあると考えているようです。知識は、脳。心は、心臓。


だから、何かの衝撃を受けたときは、心臓がバクバクするんです。心の悲鳴です。ドキドキバクバクするとか、心臓が痛むとか、ときには怒りによって心臓が止まってしまう人さえも。


心臓が止まりそうな感覚。心臓の高鳴り。それは、心臓が開こうとしている合図かもしれません。


僕は間違ったものを追いかけ続けた。あまりにも長いあいだないがしろにされた心臓はいつか声を上げるということだ。


心臓は命を動かすもの。だから、心が開かれると命の尊さが見えてくる。それこそ、痛みと向き合う意義。「楽になりたい」ではなく、人のためと思えるかどうか。そこが大きな課題ですね。


だけど、痛みと向き合うって、なかなか難しい。絆創膏を貼って、そっとしておきたい。

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だって、別に、人に役立つ経験でもないし・・・。いつの間にか、「だって」が始まる。


ないがしろにされた心臓は、開きたがっている。開けないと、割れてしまう。不思議なことに、本当にバックリと2つに割れるそうです。突然、心臓発作とかで倒れてしまうのは、ハートをないがしろにした結果。このままでも生きていけると思ってますが、残念なことに、生きていけなくなるのですよ。



~まとめ~

他者の中に自分を見る

そのとき、過去が生きてくる




スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック