すべては「前向き質問」でうまくいく~望む結果を手に入れるために、どんな質問をすればいいのか?
問題を解決する一番よい方法は、優れた質問を考えること
「質問」とは、「思考法」です。
その定義は、
「自分や他人への質問を変えることで、前向きな思考や良い結果を手に入れる思考法」
要するに、次のような公式が当てはまります。
「質問」+「答え」=「思考」
だから、質問を変えると思考が変わり、結果が変わるのです。
では、「良い質問」とは何でしょう?
前向き質問とは何か?
イライラしているときは、頭の中で「悪い質問」を延々と繰り返しています。
すなわち。
誰が悪いの?
相手が悪いのか? 私が悪いのか?
相手のどこがいけないの? 私のどこがいけないの?
そんな質問を繰り返しては、イライラし、モヤモヤし、自己嫌悪におちいり、他者批判を繰り返す。
責任追及型の質問は、「悪い質問」です。
白か黒か、ハッキリさせたい。誰が悪いのか、ハッキリさせたい。
それは、自分を幸せにするためのものではなく、「裁判」であり「国会質問」ですよね。
政治家の質疑応答なんかを見ていると、とても不快な気分になってきます。
誰が悪いのか? ひたすら批判を繰り返しているからです。
政治の世界では必要なことなのでしょうけれど、自分の人生でそれをやると、確実に疲弊しますよね。
苦しいし、つまらないし、無気力になってきます。
だから、責任を追求するよりも、ここから何を学ぼうか?と、「学ぶ人」へシフトチェンジしたほうが幸せになる。
それが「前向き質問」です。
「批判する人」の反対は、「学ぶ人」だそうです。
自分の目の前に、「批判する人の道」と「学ぶ人の道」の2つの道がある。
どっちへ進もうか?
仮に、「批判する人の道」へ足をふみいれてしまったとしても、質問を切り替えることで、「学ぶ人の道」へスイッチを変えることができます。
それをこの本では、「スイッチング・クエスチョン」と呼び、方向転換するための道を「スイッチング・レーン」と呼んでいます。
スイッチを切り替えるということですね。
"自己正当化"、"相手を責める"、そんな自分に気づいたら、スイッチング・クエスチョンを思い出し、スイッチング・レーンへと進もう。
「箱の中」に入ってしまったときには、スイッチング・クエスチョンです。
スイッチング・クエスチョンとは何か?
自分へどんな質問をするか?
自分なりの質問リストを、自分でどんどん作っていけばいい。どんな質問が自分に響くかは、人それぞれだと思います。
この本では、いろんな質問の例が載っていました。
とりわけ効果がありそうだなと感じたのは、次の3つです。
- 私は、どんな思い込みをしているか?
- ほかに、どんな考え方ができるか?
- 相手は何を考え、何を感じ、何を必要とし、何を望んでいるか?
誰が悪いのか?という質問よりも、建設的な答えが出てきそうですよね。
なぜ、こんなことが起きてしまったの?
↓
この問題から、何を学べる?
それが、「学ぶ人の道」。
ちなみに、「なぜ人と組織は変われないのか」という本では、「裏の目標」という言い方をしていました。
例えば、「ノーと言えない」という悩みを抱えていたとして。
「ノー」と言いたくて悩んでいるのですが、実は本音では、「ノー」と言いたくないのです。
なぜなら、”すべてに「イエス」と言うことで「スーパーヒーロー」になりたい”というのを、「裏の目標」としているから。
「裏の目標」を達成するため、すなわち、「スーパーヒーロー」になるためには、「断るわけにはいかない」と無意識で判断しています。
さて、そこには、どんな思い込みがあるのか?
「ノー」と言ったら「スーパーヒーロー」になれない。バカにされてしまう。
だから、口が裂けても「ノー」とは言えなくなるんですね。
そんなふうに、自分の行動はすべて、「裏の目標」と「思い込み」にコントロールされているということです。
この「裏の目標」を、「自己正当化」と読みかえていいと思います。
「ノー」と言えない。だって、バカにされるから。
「だって」は自己正当化の始まりです。
本当は「ノー」と言いたい。そんな自分を裏切ってしまったところから、相手を責め始める。
なぜ、この状況で頼み事をしてくるの? 自分でできないの?
日本的に言えば、「なぜ、空気を読んでくれないのか?」ってことですよね。
「ノー」と言えない自分を正当化するために、相手を悪者にするという構図です。
そこを変えるには、「裏の目標」に対する「思い込み」を変えなければなりません。
まずは疑ってみることです。
「本当に?」
何度も自分に問いかけ、逆の発想をしてみる。
「ノー」と言っても「スーパーヒーロー」になれる。バカにされない。
それが理解できれば、行動を変えることができます。
行動を変える手順は、同じですね。
これは一つの例であって、「裏の目標」や「思い込み」は人によって違います。
だからこそ、自分の「裏の目標」に気づくのは非常に難しい。
どんな思い込みをしているのか?って考えてみても、なかなか答えが出てきません。
変われない理由はそこでしょうね。
自分にしかわからないことなので、他人に聞いてもわからない。
かと言って、自分でもなかなか自覚できないのです。
どうすれば、自分の気持ちを理解できるか?
体の反応を観察してみるだけでも、わかるようになるそうです。
例えば、「誰が悪いの?」と問うとき、体が固くなる。
犯人を探さなきゃ!と、全身が力みます。
犯人は自分であってほしくないから、自分を守ろうとするのです。
敵から身を守るときは、必然的に体が固くなって、緊張感が高まるもの。自分だったらどうしよう?と苦しくなる。
逆に、「何が学べる?」と問うときは、体が柔らかくなる。
子どもがよくやる、「宝探しゲーム」です。どこにあるんだろう?と、好奇心に満ちあふれ、ワクワクして楽しい。
「犯人探し」は防御心が刺激され、固くなる。
「宝探し」は好奇心を刺激され、柔らかくなる。
今、自分は固くなっているか? ゆるんでいるか?
そこを目安にしてみるのも、いいですね。
自分自身をじっくりと観察するということです。
やっぱり書き出してみるのが良さそうです。
自分を観察することが、思考の第一歩
観察しなければ、きみは自動操縦装置のプログラムにしたがって進み、事態にただ反応するだけになってしまう。しかし、周囲の出来事にただ左右されるのではなく、明確な意図をもって、意識的に選択する方法を身につけることもできるんだ。
「反応するだけ」というのは、わかりやすく言えば「反射」です。
「反射」は無意識にするもの。
「反射」に身をまかせている限り、「良い選択」というのはできません。
「七つの習慣」でも言われている、「反応を主体的に選択しよう」ということです。
やはり、主体的に選択をするのが、大事なこと。
そのためには、自分の考えを観察する。
自分は今、「批判する人」なのか? 「学ぶ人」なのか?
そこをじっくりと観察し、事実を受け止める。まずはそこからですよね。
まずは、どんどん書き出してみること。
頭の中にあるものを書き出し、じっくりと観察をし、ではどうしよう?と質問を変え、自分で選択をする。
そんな流れを習慣にしてみると、どうしたらいいかが見えてくるのではないでしょうか。
答えは自分の中にあるってことですね。
**
「批判する人の道」「学ぶ人の道」を図にまとめると、こんな感じです。
「学ぶ人の道」は、まさに「七つの習慣」の生き方です。
ただし、いきなりWin-Winを考えるのはハードルが高いので、まずは、自分をじっくり観察し、質問を変えることから。
小さな一歩を踏み出してみよう。
自分自身を観察する能力が、全体の状況に目を向けさせ、よく考えさせてくれる。