自分をわかってもらうための2つのコツ~「人を動かす」

人を動かす 新装版



釈尊いわく──「憎しみは、憎しみをもってしては永久に消えない。愛をもってしてはじめて消える」
誤解は、議論をもってしては永久に解けない。気転、外交性、慰め、いたわり、そして、相手の立場で同情的に考える思いやりをもってして、はじめて解ける。


他者と対話する際、自分の正しさを主張し、
相手をやっつけてばかりいませんか?
それだといつまでたっても、
理解し合うことができません。


今回は、対話のコツを学んでみたいと思います。


タイトルの「人を動かす」というのは、
人を説得し、人の心を変えるということです。
そのために必要なことが様々書いてありましたが、
特に心を打たれたことが2つありました。


それは、
①議論を避ける
②誤りを指摘しない
ということです。



①議論を避ける

議論に勝ちたい理由は?

議論したり反駁したりしているうちには、相手に勝つようなこともあるだろう。しかし、それはむなしい勝利だ。相手の好意は絶対に勝ち得られないのだから(ベンジャミン・フランクリン


議論をする理由とは何でしょうか?


ここでいう議論とは、
ディベートなど、
正しい意味での議論ではなく、
日常会話で、つい人と争ってしまうような、
ケンカのような議論のことです。


大抵の場合は、
自分の正しさを証明したい、
相手を打ち負かしたい、
自分の心を満たしたいがための議論ですね。


あなたは、議論に勝ちたいですか?
その理由は何ですか?


相手との関係はどうしたい?

よく考えていただきたい。理論闘争の華々しい勝利を得るのがいいか、それとも相手の好意を勝ち得るのがいいか──この二つは、めったに両立しないのである。


議論に勝ったら、一時的には満足を得ます。
「してやったり」という気持ちになるものですね。
でも、長期的にみたら、どうでしょうか。


その後、誰も自分に話しかけてこないとか、
打ち負かした相手との関係がギクシャクしたとか、
そんな結果になってませんか?


自分はいい気でいるかもしれませんが、
相手の好意は絶対に得られないんですよね。


議論の結果として、
相手との関係性がどうなることを望みますか?


相手の気持ちを変えたい?

議論に負けても、その人の意見は変わらない。


議論をしようとする時、
その結果として、何を求めるでしょうか?


きっと、次のようなことですよね。


自分の意見の正当性を理解させ、
相手が間違っていることを認めさせ、
相手の行動や気持ちを変えさせること


もしくは、単なる腹いせ、怒りの表現、
ということもありますね。


その場合でも、本当は、
自分の怒りの気持ちを理解してもらうことで、
自分の気持ちをスッキリさせたい

という願望があるのではないでしょうか。


要するに、
相手の理解を求めているわけです。


そして、
相手の言動を変えさせたいわけです。


ならば、その方法を考えなければなりません。
相手を打ち負かすことでは、
絶対に相手の気持ちは変えられないのです。


では、どうしたらいいでしょうか?


議論を避けることが、議論に勝つこと

議論に勝つ最善の方法は、この世にただ一つしかないという結論に達した。その方法とは──議論を避けることだった。


議論は、避けるのが一番いいということです。
正しい議論であっても、
相手の心は変えられません。


議論をすることと、
議論をしないことは
結果的に同じなのです。


だとしたら、
ムダなエネルギー消費でしかないんです。
だから疲れちゃうんです。


そして、議論を始めたら、
必ず勝ちたくなります。
正しいかどうかよりも、
自分の意見を押し通すことが
目的になっていきます。
お互いに意地を張ることしか
できなくなります。


結局、終わりがないんですよね。



②誤りを指摘しない

人は、否定されたくない

我々は実にいい加減な動機から、いろいろな信念を持つようになる。だが、その信念を誰かが変えさせようとすると、我々は、がむしゃらに反対する。この場合、我々が重視しているのは、明らかに、信念そのものではなく、危機に瀕した自尊心なのである。(ジェイムズ・ロビンソン「精神の発達過程」)


人は、自分の意見を否定されることを、
とてもイヤがります。


なぜイヤかと言えば、
「意見」の否定ではなく、
「自分という人間」の否定だと
思ってしまうからです。


否定されればされるほど、
自分の意見に執着してしまう傾向があります。


それは、自分も同じですよね。


ポイント

否定は、執着を生む


指摘は、宣戦布告

「では、君に、そのわけを説明しましょう──」
こういう前置きは、禁物だ。これは、「私は君より頭が良い。よく言い聞かせて君の考えを変えてやろう」と言っているに等しい。
まさに挑戦である。相手に反抗心を起こさせ、戦闘準備をさせるようなものだ。


「逆ギレ」されて、
理不尽に感じることがありますよね。
では、なぜ逆ギレされるのでしょうか?


こちらが戦いを挑んでいるから、
あちらは応戦しているだけではないでしょうか?


「挑戦に応戦」は当然のことなんです。
だから、逆ギレされたくなかったら、
宣戦布告をしないことです。


そのためには、
次のように切り出すといいそうです。
確実に相手が間違っている時でも、です。


「実は、そんなふうには考えていなかったのですが、おそらく私の間違いでしょう。私はよく間違います。
間違ってたら改めたいと思いますので、事実をよく考えてみます」


挑戦はしないということです。
なかなかレベルの高い話ですが、
これができたら、
逆ギレは確実にされないでしょうね。


相手に気づかれないように、説得する

できれば、人より賢くなりなさい。しかし、それを、人に知らせてはいけない(チェスターフィールド

教えないふりをして相手に教え、相手が知らないことは、忘れているのだと言ってやる(アレクサンダー・ポープ)


相手の間違いを指摘するのではなく、
指摘していることを悟られないように、
うまく伝えるのがコツだそうです。


顔に泥を塗らないようにするんですね。


そもそも、相手の間違いを、何のために指摘するのだ──相手の同意を得るために? とんでもない! 相手は、自分の知能、判断、誇り、自尊心に平手打ちを食らわされているのだ。当然、打ち返してくる。考えを変えようなどと思うわけがない。どれだけプラトンやカントの論理を説いて聞かせても相手の意見は変わらない──傷つけられたのは、論理ではなく、感情なのだから。


だけど、なかなか難しいですよね。
だって自分が正しいって信じてるから。
正しいことを言って何が悪い?
と思ってしまうんです。


でも、相手にとっては正しくないことなんですよね。


指摘したところで、
素直に聞いてくれないし、
議論をしても理解なんて得られないし、
本当に不毛なエネルギーを消耗します。


なぜこんなことを
延々と繰り返してしまうのでしょうか。
そこまでして認めさせたいことって何でしょう。
よくよく考えるとバカバカしいですよね。


著者は、偉人にもできないことが
自分にできるわけがない、
という問いかけをよくしています。



そもそも、自分は本当に正しいの?

あなたは、ソクラテスよりも賢い?

私の知っていることは一つだけだ。自分が何も知っていないということ(ソクラテス


ソクラテスが、自分は何も知らないと言っているのに、
私たちは、ソクラテスより賢いのでしょうか?


それを思うと、
他人の間違いを指摘することが恥ずかしくなるはずです。


あなたは、ルーズヴェルトよりも正しい?

セオドア・ルーズヴェルトが大統領だった時、自分の考えることが、百のうち七十五まで正しければ、自分としては、それが望み得る最高だと、人に打ち明けた。  
二十世紀の偉人がこのとおりだとすれば、我々はいったい、どうなのだろう。


ルーズヴェルトは、
偉大な大統領の一人として
格付けされている人です。


そのルーズヴェルトが、
75%も正しいかどうかわからない
と言っているのです。


私たちは、100%、
自分が正しいと思っていませんか?
本当に正しいでしょうか。


そんなに正しいなら、大儲けできるはず

自分の考えることが五十五パーセントまで正しい人は、ウォール街に出かけて、一日に百万ドル儲けることができる。五十五パーセント正しい自信すらない人間に、他人の間違いを指摘する資格が、果たしてあるだろうか。


そんなに正しい考えの持ち主であるなら、
ウォール街で大儲けできるはずです。


どうでしょうか?


相手の言ったことに対して理解ではなく、価値判断をまず与えるのが普通である。誰かが何かについて、感想、意見、または信念を述べると、それを聞いた私たちは、即座に、「そのとおり」とか「馬鹿らしい」とか「突拍子もない」とか「無茶だ」とか「間違いだ」とか「ひどすぎる」とか評価して決めつけてしまう。相手の真意が、どこにあるのか正確に理解しようと努めることはきわめてまれである。


価値判断や裁判ではなく、
相手を理解しようという心が大事なんです。
理解しようと思ったら、議論にはなりません。


理解してこそ、自分も理解される。
やはりWin-Winなんです。


それは、「七つの習慣」でも言われていることです。
ichigo-it.hatenablog.com




お互いの自尊心を大切にすることです。
そんな対話ができたらいいですね。



~まとめ~

議論を避ける
他人の間違いを指摘しない
そもそも自分だって正しくはない



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