ichigo's blog

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レッテルを貼ってませんか?~上司と部下の理想の関係とは

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書



人間には、「この人のためなら苦にならない」ということがある一方、「あの人のためになることはちょっとのことでもやりたくない」ということがある。


上司と部下の関係は
今はドライなほうが
多いかもしれません。


でも、
本当にいい仕事をするには
「この人のためなら」
そういう関係ですよね。


前回は、
「教えない」ことを
学びました。

ichigo-it.hatenablog.com


今回も、
「自分の頭で考えて動く
部下の育て方」より
上司と部下の関係を
考えてみます。



上司の振る舞い

権力をもつと、幼児返りする

部下が自分のほうを見ていない時間があると、「上司として自分は尊敬されていないのではないか?」と不安になり、コントロール不能に陥るのではないか、という不安に駆られてしまう。  
すると、「こっちを見ろ」というつもりでついつい、たくさんの指示を出してしまうようになる。


幼児返り。


それは、
誰もが本然的に持つ、
欲求なのかもしれません。


幼児は、
すべての人の視線を
自分へ向けようとします。


周りの人が
自分のために動くように
コントロールしたいし、
実際に、できてしまいます。


それは、
大人が、子どもを大目に見て、
かわいがってくれるからです。


大人になると、
「みっともない」と思うので、
そういった行動を
抑えるようになります。


また、
自分の意のままに
動いてくれるような人も
いなくなります。
皆が対等になるからです。


だけど権力をもつと、
その欲求が
ムクムクとわいてきて、
被支配者を
コントロールしたくなります。


上司が部下を、
親が子どもを、
強い者が弱い者を、
コントロールしたがるのは、
幼児返りなのです。


そっぽ向かれることが
面白くないだけです。


そう考えると、
上司の不満というのは、


部下が自分を見てくれない
部下が自分をわかってくれない


そこに尽きるわけです。


そして、
部下の機嫌をとろうとします。
何とか自分に向けさせようと
努力をする、
それが上司の行動なんですよ。


なんとも、
情けない姿ですね。


威厳のある風を装って、
やってることは
幼児の行動そのものです。


自分は、
幼児返りをしているんだ


まずはそれを認めましょう。


相手は、
放っておいてほしいのです。


指示なんて
されたくないんです。


対等な存在だ、
ということを
しっかりと自覚しましょう。


コントロールしたがるのは
幼児ですよ。


教える側は、力がなくていい

ライオン使いやゾウ使いを考えてみよう。人間にはライオンのような強力なキバやツメはない。ゾウのような巨体や力もない。なのに人間は、ライオンに火の輪をくぐらせ、ゾウに芸を仕込むことができる。


指導する側になると、
何となく、
実力のない自分を
申し訳なく思うものです。


そうして自分も、
実力を出そうとします。


それが結局は、
部下と張り合う
そんな状況を
生み出してしまいます。


「自分はこうやった」と、
自分の成功体験を
語りたくもなります。


「自分がやったほうが早い」と、
率先して
やってしまったりします。


でも、違うんです。


むしろ上司は、
部下より無能でいいのです。


指導する側の役目は、
相手に働いてもらうことです。


ゾウ使いがゾウになる


それって、
おかしいですよね。


ゾウ使いが、
自分の無能さを嘆き、
相手の無能さにイラだち、
自分がやってしまえ!と、
自分で曲芸をする。


そして、ゾウに対して、
自分はこんなにできるぞ!と
アピールする。


その滑稽さに
気づきましょう。


ゾウ使いは、
ゾウに曲芸をさせることが
仕事なのです。


自分には曲芸の能力なんて
なくてもいいのです。


それよりも、
ゾウとの信頼関係を作ること。


お互いの力で、
一つの芸を完成させること。


例え話としてのゾウであって、
軽蔑の意味ではありませんよ。


指導する側と、される側は、
信頼関係のもとに
それぞれの役割を担い、
一緒に目的を果たすのです。


そこを理解すれば、
率先垂範しなければ!とか
自分がやったほうが早い!とか
思わなくなります。


真の率先垂範とは、能力で部下と張り合うことではない。部下の能力発揮をどうやったら最大化できるかに意を砕くことである。


お互いに信じ合わなければ
最高のパフォーマンスは
生まれないのです。


レッテルを貼ると、ペルソナをかぶる

この現象はいわば報復合戦だ。レッテルを貼る側はバカにすることで報復し、ペルソナを被る側は相手のためになることは一切しないと心に誓うことで報復する。不幸な関係だと言える。


レッテルとは、
一方的に決めつけること


ペルソナとは、
適応するための
表面的な人格のこと


人は、
レッテルを貼られると、
ペルソナ(仮面)を
かぶります。


つまり、
「できない人」と決めつけられると、
「自分は、どうせできない人」と、
できない人の仮面を
かぶるようになるのです。


なぜ、そうなるかというと、
報復したいからです。


何度教えても
わかってもらえないとき、
「できない人」という
レッテルを貼ることで、
報復しようとします。


教え方が悪いと思うのはツラい、
イライラさせられるのもツラい、
だから
「できない人」と
決めつけたくなるのです。


レッテルを貼られたほうは、
「できない人扱い」に怒り、
とことん「できない人」になって
復讐を始めます。


それが、
レッテルとペルソナの
報復合戦だというのです。


できない人と仕事してる人、
自分が先に
レッテルを貼ってませんか?


「本来はできる人だよ」と
心から信じてあげると、
本当に「できる人」に
変わっていく。


そんな事例は
たくさんあるわけです。



ネロとパトラッシュに学ぶ

この人のために頑張りたい

(パトラッシュは)優しく介抱され、元気を取り戻すと、ネロとおじいさんの仕事をぜひとも手伝いたいと自主的に願うようになった。すると、重い荷物も苦にならなくなった……。


パトラッシュは、
いわゆる
「できない犬」でした。


そのため、
前の主人からは
ムチで打たれ
死にかけたのです。


ネロの介抱で回復すると、
何でもやるようになり、
「できる犬」に
変化したのです。


犬も人も、
自分を信じてくれる人には
報いたいと思うものです。


お金とか、
やりがいのある仕事とか、
関係ないです。


この人のために
頑張りたい


結局は、
そこが一番の
モチベーションに
なります。


そうして、
「できない人」も
「できる人」に
変化するわけです。

レッテルを貼らずに、ノルマを課さずに、いろいろ辛抱強く試みてほしい。


現実的には、
なかなか難しい状況も
ありますが、
そんな関係が築けたら、
仕事は幸せでしょうね。


一つの指標に
なると思います。


ほめるより、面白がる

私は「面白がる」という言葉を使っている。  
その人がその時どんな工夫をしたか、どんな苦労をしたのか、それをどうやって乗り越えたのか、その工夫や努力を面白がったり、驚嘆したりする。


ほめられて伸びる


それは真実です。


ただし、
何に対してほめるか?


そこが重要です。


結果に対してほめられても、
表面しか見てくれない、
そう思ってしまって
うれしくありません。


「100点取った!」
「さすがだね!」


これでは、うれしくない。
誰だってそうなんです。


100点取らないと
自分はダメなんだ、
そう思うわけです。


やるせない気持ちに
なりますね。


それよりも、
プロセスを見ること。


具体的には、
その結果を出すために、
どんな工夫をしたのか?


そこを見てもらえると
心が満たされます。


結果を出すまでには、
いろいろな工夫や葛藤、
悩みを乗り越えてきました。


そこを見てもらえると、
心がグッと満たされます。


わかってくれた。
この人は何か違う。


そう思うのです。


自分がどれだけ苦労したか、
今までに何があったのか、
聞いてほしいのです。


だから、
結果を出した人に
かける言葉は、


「ここまでくるのに
どんな工夫をしたの?」


「どんな葛藤があったの?」


もちろん、
結果よりプロセス重視、
というわけではありません。


「頑張ったから良し」
というのも、
何か満たされません。


結果は大事です。


だけど、
結果を出したときには
そのプロセスを見てあげる。


「わかってくれる人だ」
「いい上司だ」


そう思われますよ。


ソクラテスは若者と話す場合、老人である自分が説教するのではなく、若者の話をたいそう面白がって聞いた。「ほう、それは面白いね」「ふむ、それはどうしたわけかな」ソクラテスに質問された若者は、ない知恵を一所懸命に絞り、「それはこういうことじゃないですかね」と答える。


ソクラテス
若者に好かれたのは、
聞き上手だったから。


そして、質問をしながら
相手が自分で気づくように
うまく誘導するのです。


押しつけがましくもなく、
自慢されるでもなく、
話してるうちに
いつのまにか
知識が広がっている。
だからまた話したい。


若い人から
そう思ってもらえたら
幸せですよね。


ソクラテスまでの
賢人になるのは無理でも、
目標になります。


「いい人材がいない」と
嘆くより、
相手の気持ちを知る努力を
続けるべきです。


ほめるよりも、
その人の工夫を
面白がってあげること。


「もっと聞かせて」と、
相手の自尊心を
くすぶってあげること。


そうすれば、
意欲を出してくれます。


祈り

成長していなくて当たり前、自分一人で仕事を処理する羽目になっても仕方がない、と腹をくくっていると、腹が立たない。部下に対し、余裕を持った気持ちで接することができる。  
着実に成長しますように、と祈りはするが、早く成長しろよ、とは期待しない。


部下を見守るのは、
期待ではなく
祈りなのです。


期待には、
コントロール
含まれます。


自分の思いどおりに
育ってほしい、
というエゴです。


心の底から思うこと。


それが祈りになるのです。


祈りって、難しいですよ。
自分のエゴとの対決です。


ゾウに、気持ちよく
芸をしてもらう。
それが自分の役割。


成長を祈り見守るのです。



~まとめ~

ネロとパトラッシュの信頼関係
レッテルを貼らずに、成長を祈ること!




自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書