「七つの習慣」って何がいいの?導入部分のまとめ。
有名な経営者がこぞって読んでいるという七つの習慣。ぜひ、生活に取り入れたい。
ただし、ぶ厚くて難しい本なので、なかなかハードルは高いです。
今回は、これまでの導入部分をまとめます。
まずは「七つの習慣」の導入部分を理解する
人格主義でいくべき
「七つの習慣」の何がいいのか? 他の自己啓発とどう違うのか?
その最大の特徴は、人格主義をうたっているところです。
通常の自己啓発のことは「個性主義」と呼んでいます。個性主義とは、表面的なスキルやテクニック。いわば、モグラたたきのようなもの。出てきたものを叩いていく感じ。
それとは逆に、七つの習慣は、自分の内面から変えていこうというもの。そのためにも、日々の習慣が大事だというのです。
その場しのぎの一過性のものではなく、日常的な振る舞いにこそ、人格が表れる。そこを磨いていかないと、ただの見せかけだよね?って話です。
たしかに自己啓発本を読むと、一瞬はすごく元気になって、やる気も出てくる。だけど、時間が経つうちに忘れてしまう。もしくは、その場がしのげれば、もうオッケーとなる。
そうじゃなくて、もっと本質的なものを変えていかないと、また出てくるわけですよね。そのたびに学ばなきゃいけなくなる。
問題が出てくるたびに、常につまずく。だからまた学びにいく。悪く言ってしまえば、受講生を講師に依存させていくやり方とも言えます。通い続けてくれれば、講師はもうかる。だから本当は、受講生の自立なんて望んでいないんじゃないかっていう、うがった見方もしてしまいます。
だけど、習慣にしてしまえば、自分で対処できるようになる。高額セミナーなんて行かなくても、自分で自分をコントロールできれば一番いいと思います。
とにかく、ポジティブに行こう!とか、こういう話し方で!とか、それもそれで意味があるんだけど、表面だけを変えても、すぐに元に戻ってしまいます。
自分の内部でどういう変化を起こすのかっていうのが、人格主義です。
習慣を構成するのは、知識・スキル・やる気の3つ
習慣を構成するのは、知識・スキル・やる気の3つ。
具体的に言うと、こう。
- 何を・なぜやるのか?
- どうやるのか?
- どういう気持ちでやるのか?
特に、「人を大切にする」とか、「人の役に立つ」とか、「人」に対するやる気がカナメなのかなって思います。
やる気さえ出れば、知識とスキルは、いくらでも身につけられる。でも、やる気がなければ、学んでも学んでも身につかない。やる気って、大事ですよね。
情熱の持てない私には、かなり難しいです。
ただ、そんな自分に、ちょっとだけやる気を引き起こしてくれたのは、父親でした。
父親は、わりと情熱的なタイプ。頭が良くて指導力もあるため、人の相談にのるのは大好きでした。ただし、自分の信念を絶対に曲げない頑固さがあるので、ちょっと強圧的な側面も。そして、亭主関白タイプなので、母親は苦労したようです。
面倒みがいいので、好かれる人にはすごく好かれますが、思い通りにならないとイライラも激しくなるので、嫌う人はすごく嫌う。良くも悪くも、激しくて情熱的です。
私は父親のことが大好きでしたが、相談するにはちょっとツラい面もありました。正論でしか返してくれないからです。
そんな父親が、亡くなる直前に残してくれた言葉。
「自分は、人の気持ちがわからない人間だった」
ものすごく衝撃を受けました。あんなに自信満々で、ずっと自分を曲げなかった人が、最期にそんなことを言うなんて。
臨終を目前にすると、走馬灯のように過去を思い出すと言いますが、どんなことを思っていたのでしょう。
その一言が、今でも胸に突き刺さっています。私も完全に父親譲りの性格なので。
人に対して、どう振る舞うのか。「人なんて、どうでもいい」という気持ちにおそわれるたびに、父親の言葉を思い起こしています。
P/PCバランスを考える
「人」に対するやる気を持ったら、資源と結果のバランスを考える。
最大の資源は、「人」です。
資源こそが、結果を生み出してくれる。ガチョウを殺してしまったら、卵は手に入らないのです。
ちゃんと人を大切にしながら、そのうえで結果を重視する。そのバランスが大事だということです。「結果よりも過程が大事」でもなければ、「過程よりも結果が大事」なわけでもない。バランスをとるということ。
父親も私も、ガチョウを殺してしまうような生き方なのかもしれません。そのことを教えてくれたのは、祖父でした。
父親に続き、今度は祖父の死。
祖父は、父親とは真逆でした。常にやさしく見守ってくれる人。文句も言わず、批判もせず、ただ「頑張りなよ」とだけ言ってくれました。こういう生き方をしたいと思わせてくれた人です。感謝にたえません。
そんなことを長年、自覚できずにいました。P/PCバランスを崩しまくっていたと思います。私にとって、大事な資源だったのに。
結果ばかり追い求めるのではなく、きちんと資源を大切にするという話が、祖父の死に直面して、グッと心の中に入ってきました。
父親が亡くなったあとは、ひたすら悲しくて苦しかったのですが、祖父は感謝の気持ちを引き出してくれました。
やる気を与えられる人って、一番すごい。忘れないでいきたいです。
パラダイム転換を意識する
人は誰もが、自分の過去の経験から、今を解釈しています。だから、考え方の違いというのは、経験の違い。相手の経験を学んでみるという視点をもてば、批判する必要なんてなくなるかもしれません。
また、立ち位置を変えてみるというのも有効です。違った角度から見る。相手の立ち位置から見てみる。
自分の見方を変えること、相手の立ち位置から見てみることを「パラダイム転換」と呼びます。
パラダイム転換ができた分だけ、人の気持ちが理解できるようになりそうですね。
人の気持ちがわからないのは、自分の経験と、自分の立ち位置にこだわり続けているからです。
自立は目的ではない。相互依存を目指そう
自立も依存も、結局は「依存」だそうです。それよりも「相互依存」を目指すこと。それが、七つの習慣が指し示している方向です。
ただ、本当の相互依存ができている人は、あまりいないのだそう。だから、周囲を見渡してみれば、皆が「依存状態」ということです。
なんとなく腑に落ちました。
周囲の人に違和感を抱くとき、それはきっと、「依存心」を感じるから。
あの人もこの人も、結局は依存なんだなぁと思ったら、ちょっとだけ、かわいらしく見ていけるような? そんな気もしてきます。
自分を含め、みんながみんな、依存状態から抜け出せないでいる。5歳児を相手に、本気で腹を立てるようなもの。しょうがないなぁと見ていければ、いいのかもしれません。
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まとめると。
知識・スキル・やる気を持って、資源と結果のバランスを考え、パラダイム転換にチャレンジし、相互依存を目指していく。
まだまだ導入部分です。七つの習慣、なかなか疲れます。手っ取り早い自己啓発とは、たしかに深みが違う。
とりあえず、父親と祖父が教えてくれたことを忘れずに、忍耐強く取り組んでみようと思います。
「人の気持ちを理解する」
そんな人生の命題に、どれくらい立ち向かえるだろう。