安室奈美恵の引退劇に思う~「本物の好き」を見つけるのが人生の目的
迷うことなく『歌と踊りでやっていきたい!!』と思えたのは、今のようにインターネットがない時代に育ったから、というのも理由のひとつかも。
すぐにインターネットで情報収集ができて、選択肢がたくさんあることって羨ましくもあるけど、結局本当に何がしたいのか迷ってしまうこともありそう。
(安室奈美恵「MORE」12年8月号/集英社)
情報がありすぎると振り回されるもの。自分を貫くには、情報の遮断も必要。
結局、人は、何かに振り回される。「本物の好き」を見つけることこそ、人生の目的かもしれない。
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2018年9月
猛暑が尾を引き、秋の気配がまだまだ見えてこない。そんな9月のニュースは、やっぱりコレ。
デビュー26周年記念日の9月16日、安室奈美恵が引退。
ついに来てしまいましたね。この日が。アムロちゃん、おつかれさまでした。
平成の歌姫・安室奈美恵
世間が騒ぎすぎた
私、引退の話を聞いてから、アムロちゃんが非常に気になりまして。毎日のようにYouTubeで歌を聴いてました。気になりすぎちゃって、思わずDVDまで購入しちゃったほど。
なぜ、こんなにも気になるのかというと。
騒がれてるから
正直、それしかない。
いえ、もちろん、歌は好きなんです。特に好きなのは「SWEET 19 BLUES」と「Baby Don't Cry」。前者は、あの頃の気持ち。後者は、最近の気持ち。それと、とても代弁してくれてます。聞くたびに熱くなる。
また、アムラーとして一世を風靡した時代も、気になって気になってしょうがなかった。
なぜ、あんなにも気になってたかというと。
騒がれてたから
いえ、もちろん、アムラーファッションは好きだったんです。真似はできなかったけど、真似できない自分に劣等感を抱いたりもして。劣等感を抱くほどに気になり、まさに青春そのものといった感じ。
だけど、その理由を突きつめて考えていくと・・・
やっぱり、
騒がれてるから
それしか思い当たらないんです。
本当に好きなのか?って考えると、よくわからない。同調心理というものですね。
本を買うときも、何かを買うときも、必ずレビューに左右される。
皆がいいって言うから、いいに決まってる! 私の選択肢は、正直、それしかありません。自分のこだわりとか情熱とか信念とか、ぶっちゃけ、別にどうでもいい。
いや、あるにはありますが、きっと、無意識に抑えこんじゃってる。自分では気づけない。
こうじゃなきゃダメ!って思ってる。皆が言ってるから!って抑えこむ。
だから、何が好き?って聞かれると、ヒジョーに困る。(たぶん・・・)これ!(のはず・・・)
子どもとか、若い人の行動を見てても、自分の信念じゃないんだろうなぁと感じることは結構ありますよね。
私も、アムロちゃんの引退という話がなければ、再び歌を聴こうとは、きっと思わなかった。あまり関心がなかったんです。え? 今さらアムロちゃん? っていうのが正直なところで。もう数年、アムロちゃんの歌も聴いてなかったし。
なぜ、引退にそこまで騒ぐの? もう潮時でしょ? そう思ってたはずが・・・
あまりにも騒がれすぎて、あまりにも宣伝がすごくて、
気になっちゃったんです
ついに、のみ込まれました。やっぱりアムロちゃんでしょ!と。一時代を築いた歌姫!と。
そんな自分を自覚はしてましたが。いざ、アムロちゃんのネタを書いてみよう!と思ったら・・・何も出てこないんですよ。結局、何が良いんだっけ?ってことも、よくわからない。
いいところはたくさんあります。歌がいい。踊りがいい。ルックスがいい。ビジュアル抜群!
そうは言っても。
じゃあ、アムロちゃんが無名だったら? 本当に、いい!って思えってた?
そりゃあね、スーパーモンキーズとして出てきたときは、やっぱりアムロちゃんにしか目がいきませんでした。失礼ながらも、他のメンバーには興味もありませんでした。ひときわ、きわだってた。それくらいは、わかる。
ただ、その後、もし売れてなかったら・・・? 時代がアムラーにマッチしていなかったら・・・?
「歌はいいんだけどねぇ」「かわいいんけどねぇ」「彼女、突拍子もないよね?」なんて、言ってたんじゃ、なかろうか。
結局のところ、
皆が騒いでるから好きなだけ
アムロちゃんが・・・っていうよりも。皆と一緒に、わちゃわちゃ騒ぐのが・・・心地いいだけ。騒ぐことさえも、好きじゃないかもしれない。必死になって、皆と同じことをしようとしてる。それだけでは? なんていう疑惑も。
その逆として、レアなものを好きになり、騒がれ始めると同時にさめるという・・・あれも似たようなもの。逆パターンを演じているだけです。
どちらにしても、騒がれてるかどうか?ってところがポイントで。そこが常に、選択の基準になります。
だって、世の中を見渡していけば、アムロちゃんほどの人材って割りといるはず。絶対数としては少ないんだろうけれど、少ないなりにも一定数はいるはずで。
その人たちが注目されない理由って、やっぱり騒がれないから。
隠れた逸材なんてどこにでもいる。
だけど、身近にそういう人がいたとき、自分は見抜けるのか?と思えば、きっと見抜けない。そんなに、見る目ありませんから。
たとえ見抜いたとしても、どうにもできないですよね。その人について調べたり、追っかけたりしたら、単なるストーカーですよ。ましてや、こんな記事も書くことなんてできない。人権侵害で訴えられます。私は、ただの犯罪者であり、気持ち悪い人。
だから、騒がれるってすごいこと。騒がれないと、選べない。見向きもしない。
もしも今、世論の大半が、やっぱりアムロちゃんよりも浜崎あゆみでしょ!って言ったら。
そりゃあ、そうだよー!って、本気で思ってるはず。
ええ、振り回されやすいんです。わかっちゃいるけど抵抗できない。ものすごい大きな流れに、のみ込まれていく感覚。
どうしたって振り回されちゃうんだから、抵抗することは、もう、あきらめました。
しょうがないんです。
あれだけ、メディアでガンガンやられたら、抵抗なんてできない。気になっちゃうものを止めようとするのも、ひと苦労だし。
人は、何度も目にするものを、好きになるようにできてるんです。
ichigo-it.hatenablog.com
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よく言いますよね、好きを仕事にしたら嫌いになるって。だから、好きなことは仕事にしない。っていう人もいる。
それって、好きを誤解してるって側面もあるわけで。本物の好きじゃなかったってことです。
私のアムロちゃん好きも、ちょっとしたことで消え去るもの。消えてしまうなら、ロウソクの炎くらいの情熱ってことです。
山ガールって言われるから、山へ行ってみる。カメラ女子って言われるから、写真を撮ってみる。学び直しって言われるから学校へ通ってみる。DIYって言われるから、インテリアを工夫してみる。
あれもこれも手を出して長続きしないのは、本物の好きではないから。
本物の好きを見つけるって、すっごい幸運なこと。そこへ辿り着くには、やっぱり、あれもこれも試すしかないのかなー? そう思って振り回されることにしています。
信念がなかろうとなんだろうと、気になっちゃったんだから仕方ないのです。
ブログもそう。ブログがいい!って言うから始めてみた。すべては振り回されてのこと。気持ちは、さながら土佐日記で。
「男もすなる日記というものを女もしてみんとてするなり」
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特に子どもの場合、自力で「好き」を見つけるのは、とても困難だから。あれもこれも、やらせてみるってのが大事かもしれませんね。その中で自分で取捨選択をする。
だから、子どもの思春期のあがきを大人は抑えちゃいけないんです。あれもこれも・・・の中から本当に大事な一つを見抜くには、葛藤がつきものだから。
飽きっぽくてもいい。いつか発掘できる(はず)
「本物の好き」さえ見つかれば、ビックリするほど才能は伸びていく!
ってことで、アムロちゃんの話からの、教育論でした。
ねえ 良くなるほうに とらえたら?
いつか笑って話せる日がくるから
さあだから
Baby その手伸ばしてby安室奈美恵 「Baby Don't Cry」
もしかしたら、アムロちゃんも振り回されやすいのかも? って、勝手に妄想してます。
だから、あれだけの遮断をする。シャットアウトしないと、自分を貫くことが難しい時ってあります。振り回されるし。流されるし。
何でも受け入れる、広い心には憧れるけれども。自分を貫くには、自分を保つには、ときには、付き合う人とか、受けいれるものとか、選ばなきゃならない、ってこともある。
そんなことを感じながら、今日も。歌を聴きながら思ってます。
やっぱり
アムロちゃんは
平成の歌姫!!
サイコー!
【2018年を振り返ろう】
元旦:箱根駅伝/タスキの心
1月:はれのひ事件/ハレとケ
2月:カーリング女子
3月:宮沢りえの結婚/ぼくらの七日間戦争
4月:高畑勲監督の訃報/火垂るの墓
5月:山口達也46歳の不祥事
6月:早すぎる梅雨明け/アジサイ美人
7月:桂歌丸さんの訃報
8月:さくらももこさんの訃報
9月:安室奈美恵の引退
10月:豊洲市場開場/築地ワンダーランド
11月:自己責任/素直に受け取りたい
12月:南海キャンディーズ/しくじり先生